聖母のいない国

聖母のいない国
著者 :小谷野敦
発行年:2002年
出版社:青土社 
価格 :1900円


アメリカ小説を読み解く13の論考を収める評論集。
初出は『ユリイカ』誌上において2001年一年間にわたった連載。
『風とともに去りぬ』が大衆小説と見なされる理由から始まり、「赤毛のアン」を受容する層の問題まで、テキスト分析というよりは書物を受容する社会の問題を中心に論じている。全体的な印象としてはフェミニズム批判という彼のいつも通りの傾向が色濃いが、フェミニズム的な性解放の論理が大多数の(その特権を享受できない)男女にとっては無意味であったことを指摘する彼の視点はやはり鋭く、実も蓋もない。

そういや、今になって気付いたが、実は小谷野敦って、あんまり文章が上手くないんだわ(笑 やっぱり売れっ子だから書きなぐっている部分があるんでしょうか。推敲ぐらいしなさい、プロなんだから。